秋の新人戦顛末 = 我慢! | ふじなまさきなまの「俺は強い」

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偉そうに「俺は強い」と威張っているように見えるかもしれませんが、弱いから、強くなりたいからこう言ってるのです。「そうなりたい」と願う「アファメーション」です。

顛末 と書いたが、

なんか、顛末って、「顛末書」ってのがあって、

事件とか、事故とか、失敗とか、

悪いことの最初から最後まで一部始終って感じになってしまうのだけど、

今回は別に悪いことがあったわけではない。

タイトルとして短くて良かったから。


他に良い言葉があったのだろうか?



ま、いいや。

それはボキャブラリー豊富な方々に後日お教えいただくとして。


東京では、秋の新人戦は、6チームによるリーグ戦から始まります。


加盟校数、参加校数ともに多い東京では、ずっとこのやり方が行われているようだが、

これは素晴らしいシステムだと思っている。


春高バレー が 実質 春ではなくなり、 新春高バレー になり、

かつ、卒業、大学入試目前の3年生も出場させるという、まぁ、そもそも下々には関係ない変更により、

3年生がこの新人戦とほぼ同じ時期まで引っ張られている強豪校があるおかげで、

この新人リーグ戦にはその24校は参加していない。

その24校はリーグ戦を越えた、トーナメント戦からの出場となる。


今回のリーグ戦は、6チームリーグが39グループと5チームリーグが3グループあり、

出場チーム数は249チームにも及ぶ。

それでも近年の参加チーム数は減ってきており、かつては50数グループあった時代すらある。


だから東京の1等賞は大変なのです。


さて、このリーグ戦。

春高が新春高になったということとは無関係に、

とても素晴らしいシステムが継続的に行われてきている。


まず、会場の確保が大変なのだが、(42グループ=42コート≒21校必要)

どんなに弱いチームでも、リーグ戦なので、必ず5試合(5チームリーグでは4試合)できるということ。


いきなりトーナメント戦だと、弱いチームは1回戦で負けてしまい、あとは審判をやって帰るだけとなる。

この状況と比べると、大会に参加すれば5試合はできるというこのシステムは、

なんと素晴らしいことか!


現に、このリーグ戦の中で試合経験を積み、どんどん強くなっていくチームがある。


だから、リーグ戦初日(2日間かけて行う)の初戦を見て「このチームには勝てるかな。」と、

失礼にも値踏みしていたチームが、試合経験を重ねるごとに強くなり、

たまたま最終戦で当たるころには、見違えるように強くなっていて負けてしまう、ということもある。


TFは、その両方とも経験している。

日常的に練習や練習試合が十分でないチームには良く見られることだ。

これもすごく良いことだと思う。


とにかく、公式戦の試合数が確保されてるというこの東京のシステムは素晴らしいと思うのです!

ひょっとしたら、これが東京のレベルを支えているのかもしれないと思うくらいだ。


さて、続きはまだある。

このリーグ戦。最終的に1位から6位まで順位が付き、

1,2位が本大会に進み、シード校24校を交えてトーナメント戦が行われる。

このトーナメント戦は責任抽選なので、いきなり(といっても通常1個は勝ってからになるが)、

東京No.1の高校と対戦することにもなりかねない。

籤運によってはそれこそ1回戦負け+審判で、午前中には帰宅。

なんてこともいくらでもありうる。


東京の良いところはここから。


リーグ戦1,2位のほかに、

3,4位のチームも 「二部大会」 というのが用意されている。


これは、本大会(一部大会)とはまったく別に行われ、優勝してもベスト4に入っても、次の大会にはつながらない。

しかし、試合経験が続く。

生徒にとっては立派な公式戦なのだ。


今年の場合、一部大会は13日、20日、27日と3日間で行われるが、

二部大会は13日、20日の2日間。


リーグ戦から出場して、1位になって一部大会に進み

東京で優勝するとしたら、


リーグ戦で5試合勝ち、その後のトーナメントでは、最大8回勝たねばならない。

13戦全勝!!

すごい試合数だ!


二部大会でも、リーグ戦の5試合に続き、最大7回勝つと二部優勝になる。

12試合で10勝2敗(リーグで1,2位のチームに負けてるとして。)


これもすごい経験値になる。


間違いなくその間約1ヵ月で強くなれる。


TFは、3年前に1度、二部大会で優勝したことがあり、その前にも1度準優勝したことがある。


一部大会には行きたかったけど、それを逃して二部に進んだのだが、

それでも優勝や準優勝は大したものだ。

一部大会に進んでいても、1,2回戦は勝てるくらいの実力がないとそこまでは行けないだろう。


一部大会に行くか、二部大会で勝ち上がるか。


どちらがチームにとって経験値を上げるために良かったのか。


決して一部大会にあえて行かないというようなことは無いが、

結果としてどちらがチームのためになるかは微妙なところだ。



さて、このように素晴らしいシステムで運営されている東京の新人戦。


残念ながら TFは終わってしまいました。

TFは明日から沖縄修学旅行です。



実は、リーグ戦を勝ち上がって、一部大会に進み、

初日で敗退して修学旅行には行ける。


そんな状況が良いのかな、とは、ぶっちゃけ思っていた。


だって、一部大会に進むと、20日に勝ち残るのは東京のベスト12だけ。


どう考えても、一部で20日に勝ち残るのは、今のTFでは無理。

やれるだけやって、20日からはすっきりと修学旅行に行く。

秋はそれで良かろう。 と。


しかし、現実はリーグ戦3位で二部大会に進んだ。


さすがに残念なのと、

万が一、二部で20日に勝ち進んだらどうしようかと。。。

勝ち進んでいるのに、棄権はできないし、修学旅行に遅れて行くのは無理だし。。。

これはまずいことになったかも、と。


・・・・・・


夏にふがいない結果で終わり、

秋になって練習試合にいってもパッとしない。。。


9月半ばの文化祭と9月末から10月頭の試験期間をはさんで、

徹底的に台上レシーブばかりをやることにした。


しかも上で打つのは生徒たち。

はじめはなかなか練習になりそうなボールが打てない。


でも見て見ぬふりをして、じっと我慢。


そのうち徐々に台上レシーブの練習らしくなってくる。

打っているボールの音が変わってくる。


同時にセッターはひたすら2段トス。

そしてアタックは、バックアタックと2段トスばかり。。。



約1ヵ月半。。。

長い長い我慢の時間。


1ヵ月と10日ぶりの練習試合で、

いくらかやれそうな感じが出てきた。



そして迎えた秋の新人リーグ戦。


組み合わせはまぁまぁ良いので、上手くすれば一部大会に行けるかもしれない。


この1ヵ月半がどう出るか。

まぁ、夏よりは数段良くなっていることは間違いない。



初戦。

終わってみれば5位になったチームとの対戦。

怖いのは相手でなく自分たち。


しかし、先日の1ヵ月半ぶりの練習試合でそこそこやれたということが自信になっていたのか、

快調な滑り出し。

終わってみれば、25-5、25-14。2-0で勝利


初日の2試合目は以前から交流のあるC大附。

ここともう一つに勝たなければ一部大会には行けない。


出だしからそんなに悪くは無く、相手もミスをしてくれるチームだったが、

さすがに決定力のあるアタッカーがいる分相手の方が上。

16-25、19-25 で負け。でも、1セットは取りたかったところ。


初日の3試合目。

ここは最終的に4位になったチームで、ひょっとしたらヤバいかも あせる と思いつつ眺めていた相手。


しかし、こちらが思いのほか良かったのか、相手がミスを連発。

もちろん、相手の攻撃や守りに対応して、攻め守るということが出来た結果、

25-10、25-21 で勝利。


夏までの実力であれば、2セット目は取られ、3セット目もそのままダラダラと、

負けているパターン。

今回のリーグでは、一番成長が見られた試合だったかも。



初日を2勝1敗で終え、2日目に一部をかけて戦うことになった。



2日目の初戦は、ここに勝たなければ2位にはなれない相手。


悪い癖が出て、序盤で引き離される。

しかし途中で追いつくのだが、追い越しきれず、

21-25、22-25 で敗戦。


これで一部大会進出は消えてしまった。



気落ちしたわけではないと思うが、

最終戦は6位で終わったチームにまさかの2-1勝利。


しかし、これがリーグ戦の怖さ。


6位になったチームも最初のころとはうって変わって良くなってきていた。

うちらの前にも、1位になったチームにもフルセットになっている。


このチームにしてみれば

「もう一回最初から全部やり直したら、6位にはならない!」

と言うに違いない。


にしても、1セット目 25-9 で取りながら、2セット目を 22-25 で落としたのはいただけない。

3セット目は気持ちを入れ替えて 25-13 。


リーグ戦は3勝2敗の大3位で通過。

新人戦は二部大会に進むことになった。



1週間後の二部大会。

2日目が修学旅行と重なることは気になったが、そんなことよりも目の前の1試合1試合。

昔は修学旅行が 京都・奈良 だったので、公式戦で遅れて行くことや早く戻ることが許された。

許されたし、勝ち上がって遅れて行くのは、ちょっとカッコいように思っていた生徒もいたと思う。


でも沖縄になってからは無い。

これまで日程がかぶることは無かったので良かったのかもしれないが、

今年は例年より少し早い日程となっており、重なってしまった。



それはさておき、試合。


1回戦は、他のリーグ戦で4位だったチーム。

しかしだからと言って侮れない。


そもそも偉そうに言えるほどTFは強くはない。。。汗



このところ、出だしの悪さを選手たちはすごく気にしていた。


試合開始の時、口々に 「出だし出だし!」 と言っていた。


だからか、出だしは良かった。

1セット目は 25-12 。悪くない。


しかし2セット目。

先行され、そのまま逃げられるかに思えたが、ここで踏ん張れた。


ここからが、今回の新人戦で身に着いた良いところ。

確か23,24点目は先に取られていたと思う。

そのまま負けるパターン。


粘れた。

我慢できた。


新人戦の時期はまだまだどこもチーム力が安定せず、ミスを出した方が負ける。

ミスを出さず、我慢強くつなぐことが出来た。


結果 30-28 で勝利。



ここから 「我慢するバレー」 ができるようになったのが、今回の大会の収穫!


続く2回戦。

1回戦の熱戦を制して上がってきたチーム。

最近の各学校に比べて部員も多く、結構しっかりと出来上がってきている感じのするチーム。



ホント最近では、部員数が多いだけで強く見える。

つか、メンバーが豊富なチームは、やはり強くなる。


このチームも、しっかり打てる子もいるし、レシーブも良い。

勝ち上がっていくチームはこういうチームだろうな、って雰囲気が漂う。



試合開始。

いきなりTFのサーブが走った。

サーブで崩された相手は思うように攻撃が出来ず、25-17 で勝利。


行けるかもしれない!


しかし、甘くはない2セット目。


相手もサーブがよくなり、こちらのサーブも取られるようになり、リードされたまま終盤へ。


しかし粘る。


このところのワールドカップで見た 全日本女子の粘りと一緒にしては叱られるが、

簡単には落とさなくなり、24-24まで追いつく。

しかし、決定力のあるエースがいる分、相手に部があり、そのセットは24-26で落とす。


以前のTFなら、間違いなくイヤなムードが漂うのだが、この日はそんなことはなかった。



3セット目スタート。


2セット目と同じ展開。


相手はそこそこの決定力で得点を重ねる。


こちらの得点源は 相手のミス。。。


決定力の低い攻撃は、相手の弱いところを突いて崩れるのを待つ。

決まらなくても決まらなくても、我慢して拾い、拙い攻撃を繰り返す。


13点は先に取られてコートチェンジ。


点差は最大で5点はあった。


「とにかく我慢!」

「拾えている!攻め勝つのではなく、拾い勝つ!」


経験者にはわかると思うが、一番つらいバレー。

でもこれに焦れて決めに行くとミスを出して自滅する。

2セット目取られたのも、リードされている3セット目も、

実は我慢しきれなくなって大事なところでミスを出したから。


3セット目後半。

焦れずにそれが出来れば逆転で勝てるはず。。。そう踏んでいた。


リードされている状況はあまり変わらない。

しかし、「我慢しろ!」の声はちゃんと届いていたようだ。


逆に、2セット目を競って取り返した相手は、勝っているこの3セット目を、さっさと終わらせたくて仕方がないのが見ていてわかるようになってきた。


焦りが生じる。

決めたくなって力が入る。

楽に打てばよいところで力み、アウトになり、ネットにかける。


徐々にこちらにペースが移ってくる。


またしても、サーブが効き始める。

相手がタイムを取る。


それでもリズムは変わらない。


相手の選手は焦りが強くなるばかり。


23点で追いついた。


でも簡単には勝てない。


24-24 


痺れる試合になってきた。


最後まで我慢できたのは、我々の方だった。


26-24 で逆転勝ち。



ここで得たものは大きかった。


相手と試合をするということ。

ボールは一つしかないということ。

レシーブに集中するということ。

次に何が起きるかは、集中していればわかること。

我慢すること。


間違いなく、秋に進化した!


3回戦。

これに勝つと2日目に進む。

選手も勝ち残ると修学旅行にかぶることはわかっている。

しかし、俺からも彼女たちからも、どこからもそのことについて話は出なかった。

誰も出さなかった。 と言った方が良いのだろう。


結果が出てから考えよう。 それでいい。


この日の会場決勝は、隣のコートで先に勝ち上がってきたチームとになった。

相手は1試合分早く終わっていて、今の試合をずっと見ていた。

もちろん後半はUPをしながら。


どんな印象を持ったのだろう?

何を警戒し、どう攻めてくるだろう?


こちらは反対側のコートを見られていない。

始めてみないとどんなチームかわからない。

わかっているのは、しっかりと勝ち上がってきたチームだということだけ。



開始。


やはり強い。

しっかりとレシーブを上げ、しっかりと打ってくる。

でも、穴が無いわけではない。


序盤からリードを許す。

ずっと追いかける状況が変わらない。


しかし、リーグ戦からフルセットや接戦に慣れてきて、

この日もすでに、28-26、24-26、26-24、と2試合で3セットもデュースを経験している。

しかも、24点は先に取られているセットばかり。


このセットも24点は先に取られてしまった。

もちろん残念なことで、良いことではなかったが、

慌てない奴らがそこにいた。

21か22だったと思う。覚えていない。

負けが濃厚だった。


慌てない彼女らは、追いついてしまった!

24-24。


試合を楽しんでいる風だった。

我慢は我慢ではなくなっていた。

彼女らのゲームスタイルになっていた。


しかし、

24-26 で負けてしまった。


続く2セット目は、残念ながら気持ちが切れてしまったようだ。

ここへきて、「勝っても来週は出られない。」という気持ちが頭をよぎったのかもしれない。


2セット目は、同じ我慢するプレースタイルに大きな変化は無かったと思うが、

25-13 で あっさりとやられてしまった。


自分も今回の大会で得られたものを確信して、そこで終わってしまっていたのかもしれない。


・・・・・・・・


この冬はトレーニングだ。

さすがに春の大会を「我慢」だけで勝ちぬくのは難しい。

春は一部に行きたい。

となれば、ジャンプ力も脚力も腕力もワンランクアップを目指さなければならない。


しかし、この冬は体育館の床の工事で冬休み中体育館が使えなくなる。


これまた 我慢 あせる



来春、さらなる 飛躍を夢見て、


この冬は 秋に引き続いて 我慢 我慢 です!