桐島、部活やめるって… | ふじなまさきなまの「俺は強い」

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偉そうに「俺は強い」と威張っているように見えるかもしれませんが、弱いから、強くなりたいからこう言ってるのです。「そうなりたい」と願う「アファメーション」です。

今年最後の記事は、

51年間の人生で初めて覗いた映画制作現場の話です。


この歳になって、新たな世界を垣間見ることができ、

新鮮な方々との出会いがあったことを、とても感謝しています。


「桐島、部活やめるってよ」

 原作 朝井リョウ(集英社刊) 第22回小説すばる新人賞受賞作

 監督 吉田大八 脚本 喜安浩平 吉田大八


たしか10月くらいだったろうか、

東京ヴェルディを通じて、役者たちにバレーボールを指導してほしい、というお話が来た。


そりゃ、相手がどなたであれ、断る筋合いはない。喜んでお受けした。


詳しく聞いてみたら、上にかいた作品の映画化という話だった。


ヴェルディの練習会場に来て、隣のコートで練習することになった。


練習に来たのは3人の役者さん。

なんか、どっかで見たことがあるような…、と言う人もいたけど、

基本的には全く知らない若い男性3人。


緊張した面持ちの3人は、みんなバレー経験は無し。


11月末くらいから始まる撮影までに、そこそこバレーができるようにしてほしいと。


授業で週3回やっていけば、20回くらいでも試合になるが、

週1夜2時間かそこらで、映画の撮影に通用する技術が身につけられるだろうか。


安請け合いをしてしまったことに、少々後悔したが、当然お受けした以上はやらねばならぬ!


一番背の低い 太賀くん は、この3人の中ではメインとなりそうなリベロ役。

一番線の高い 鈴木くん は、エースアタッカーのキャプテン。

一番緊張していた 榎本くん は、セッター?


しかし、パスもできない3人。


太賀くんは、高校時代帰宅部。

鈴木くんは、中学時代野球部。

榎本くんは、高校時代バスケ部。


なんの癖もない太賀くん、野球で鍛えた(?)地肩の強い鈴木くん、

思いっきりバスケ動きの榎本くん。


とりあえず初日はオーバーパスから始めて、アンダーパス、アタックまでやった。


うちに来る前に、どこかの体育館で、自主練をしたけど、スタッフの方々から見てもどうにもならなかったのが、今日ここへ来て、ぐっと上達した!と言ってもらえて、とても気をよくした 単純な私。


翌日、原作本 を探しに、TF高校の図書館に行くと、ちゃんとあった。

読んだことがないのに、その映画化に携わるなんて、とても失礼に当たると思い、何はさておき、次の練習までに読んでみた。


おもしろい!


小説として読むだけなら、それでも良かったのだが今回は違った。


ちゃんとした試合のシーンがあるじゃないか!


おいおい、 あの3人、大丈夫か!?

この思いが強くなった。


何回か練習していくうちに、太賀くんはリベロ、鈴木くんもエースでキャプテンに決定。

ところが、榎本くんはセッターにするには、チト技量が…。


しかも原作本の通りなら、練習場面だけでなく試合もやらせなければ…あせる


とりあえず、ライトプレーヤーとして、センターエース鈴木くんの隣で位置してもらうことにした。


その後、さらに若い役者さんでバレー経験者を何人か連れてきていただき、彼らでチームを結成することとなったので一件落着とはなったのだが、まだまだ彼らで試合場面の映像を作れるとは思えなかった。


しかし、あとから集めてもらったメンバーも良かった!

東京都代表経験者、千葉県代表経験者などがいた!


すごいぞ!バレー部!!


これだけ、バレー離れが叫ばれているのに、役者として活動をしている(あるいは志している)若者の中に、これだけのバレー経験者がいたとは!

なんか、そのこともうれしかったりして。


で、なんと、その中の一人、東京代表経験者は、ヴェルディメンバーの一人と同級生だった!(同じ高校のバレー部!)


いやぁ、世間は狭い!


みんな、明るくて、一生懸命でとっても いい奴らばかりでした!



約1ヶ月の練習を元に、撮影地に乗り込んだ。


TFがちょうど修学旅行とうい日程と合わせて、自分も撮影地に行くことができた。


撮影はとても大変なものだと言うことを知った。

何回も何回も同じシーンを、カメラ位置を変えて撮り直す。


と言うことは、同じプレーを何回か、ちゃんと同じように再現できなければならないと言うことなのだ!

いくら上達したとはいえ、現地に来てまた心配になった。


でも彼らはすごかった! プロですよ! プロ!


・・・・・


少し前に戻るのですが、原作本を読んだ後、

役者である彼らのことも気になったので、

ちゃんと名前を聞いてみた。

 

で、ある日、なにげに録画してあった NHK大河ドラマ「江」を、

オープニングから見ていたら、


「豊臣秀頼 太賀」


「あっ!太賀くんじゃないか!」


録画を巻き戻して再び名前を見た。やはりそうだ。

次はストーリーなんていいから秀頼の場面まで早送りした。


「太賀だぁ=!」

家人は何のことかと、驚いている。 で、説明。


次に慌ててネットで検索


 太賀 スターダストプロモーション


すごい奴だったんだ!

どうりでなんか見たことあるかな、と、思ったわけだ。

コードブルーにも出てた!

おや、しかも 中野英雄 さん の息子じゃないか。

(中野さんのブログに行くと、いきなり中野さんの素敵な!写真が目の前に現れるので心して飛んでください!)^^;


さらに慌てて、ほかの二人も検索!


 鈴木伸之 劇団EXILE 


なにぃ~~! EXILE !

HPの写真はキモイけど ( ごめん!>本人+ファンの皆様 A=´、`=)ゞ )

確かに鈴木だ!


 榎本功 お笑いオールドモンク 


あ、リンクがない。。。汗


資料によれば、

●オールドモンク(目黒笑売塾9期生)冨士田のブログ
冨士田
榎本


と言うことで、相方のブログにでも行ってください。 (#⌒∇⌒#)ゞ

でも、M-1の予選から何回戦かまで、勝ち上がってるとか。


と、実は、こんなにすごい連中だったんですね。


ま、まだまだなのかもしれませんが、今後は彼らの一ファンとして

期待して見守っていこうと思います!


・・・・・


さて、撮影。


暖かいと言われる県内で撮影されたのですが、さすがに11月末となれば寒いあせる

しかし当然バレー部ですから撮影は練習着やユニフォーム姿。


寒いのに加えて、練習場面では、主将がリベロに向かった台上レシーブを鬼のように打つシーンが有って。。。

(ま、俺が「これなら彼らもできます!」って言っちゃったってのも有るんだけど。^^;)


約1ヶ月ほど前まではバレーをやったこともない彼らが、台上から何十本打ち、何十本拾うことになったのだろう。

監督がリアルさを期待していることもわかっていたし、自分でも中途半端なプレーしかできていないバレー部の映画なんて見たくないから、かわいそうだったけど、打つ方には、「風助(役名)の顔面に当たろうと構わないから、怒った主将として本気で打て!」 と言い、 リベロの風助には 「リベロなら本気でぶつかって行け!」 と行ってしまった。。。。(ごめんねぇ。。)


丸一日かけた撮影が終わる頃には、リベロの腕がどうにかなってしまうんじゃないかと心配しました。

 

が、エースも肩や手のひらをパンパンにして終了。

(台上を打ったことのあるコーチならわかりますよね。^^;)

リベロくんのためには、氷を用意してもらって、すぐに冷やさせたり。


照明さん、カメラさん、記録さん、監督さん、助監督さん。

プロの現場には、それぞれのプロがひしめき合って、

独特の雰囲気を醸しだしており、

そこに、場違いのように飛び込ませてもらった自分がいる。


刺激を受けない訳がない!


とても楽しい、貴重な経験をさせていただきました。



2日目の夜は、現地で医師として働いていた卒業生と酒を飲み、

さらに、試合場面の撮影が行われる12月4日にも現地入りすることを決定。


監督さんも来ることを喜んでくれたし、

何よりも、もはや自分にとって 生徒 であり、 バレー部員 と化した彼らが喜んでくれたことがうれしかった!


3日の夜に現地に行き、前回訪れた際に知り合って、ちょっと観光案内などをしていただいた先生と一杯やれたのも良かった。 ^^v



試合場面の撮影も無事に終わった。


ヴェルディに同級生がいた彼は、相手チームのエースとなり、

リベロの風助から最後の1点をもぎ取り、試合を終わらせた。



自分にとっては、夢のような時間だった。

一教師としてだけでは経験できない世界。

そこに関わるすべての人たちの情熱と、その姿。


刺激されないはずがない。


はたして、自分はプロとして、「プロの教師です!」と言えるのか?


言えなければ給料をもらっている資格はない。


そんなことまで考えさせられた。



来年 2012年の夏 公開


待ち遠しい!


「桐島、部活やめるってよ」


ちなみに、映画の主演は「映画部」の 神木隆之介くん  です! ^^;



でもね、

俺の中では 断固として 太賀だし、ノブだし、イッサだから!


みなさん!お楽しみに!


俺が映るかって? それもお楽しみに! ? ^^;